去る10月14日、ネパール地震ジェンダー配慮支援の会(JAGSN)と共催で、報告会を開催しました。ネパールの震災復興に携わる方々、国際協力NGOやコンサルタントの方々、大学生の方々など約30名 の皆さまにご参加いただきました。報告会では、JAGSN代表の田中雅子さんから、8〜9月にかけて実施した2度目の現地調査結果が、以下に示すとおり報告されまし た。

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カトマンドゥでは、復旧活動が進み、9月時点で避難キャンプが残り1か所となっている。しかし、被災者支援に関する管理が行き届いていないことは明らかで ある。国内外から送られる支援物資を受け取るために、避難キャンプ内に不要なテントを確保している近隣住民や、被災者登録IDを偽造している人がいた。被 災者には政府から給付金が支払われることになっているが、給付金が住宅に対する補償なのか、被災者への見舞金なのか、混乱が生じている。各地で、女性やそ の他の脆弱層を優先しながら現金給付や被災者雇用等の活動を行っている支援団体もあるが、地域の富裕層等からの反発を招き、撤退を余儀なくされたケースも あったという。復興支援活動において不公平が見られたり、弱者への配慮が理解されない場合、人びとの不満が高まってネパールの紛争が再発する恐れもある。 ネパール復興支援では、紛争再発予防の視点も重要であることを確認した。

被害が深刻だったドラカ郡では、女性団体Aawaji(本会が支援を行っているWOREC傘下で活動している団体)を通じて、被災女性たちから直接話を聞 くことができた。被災して家を失い、息子たちとテント生活をしていたところ(夫は海外に出稼ぎ中)、近くに避難していた義兄にレイプされたHさん。義兄は 警察に拘留されたが、今も義兄家族と隣り合わせの生活を余儀なくされている。郡警察によれば、震災後4か月間の性暴力件数は38件にのぼる。前年は、1年 間で85件だったことを考慮すると、増加傾向にある。WORECとAawajiが同郡ジリで運営する女性の安全スペースでは、本会も備品や人件費の一部を 支援し、500人以上を対象に、性的暴力相談、巡回指導、Dignity Kitの提供を行っている。同安全スペースは12月に閉鎖予定となっており、1月以降、どのように活動を継続していくか検討していく必要がある。

カトマンドゥやドラカの住宅再建現場では、再建を急いで元の家の何ら変わらない家(鉄筋も柱もない家)を建設したり、給付金を受け取るために住む予定もな い土地に建設している人が多い。これでは、ネパールが目指すべき「より良い復興」(Build Back Better)どころか、震災前への逆戻りとなってしまう。また、強固な住宅の再建というインフラ面も重要だけでなく、これまでよりも暮らしやすい、ずっ と住み続けたいと思うような社会を「新たにつくる」という発想も必要ではないか。

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最後に、こうした現地の状況を受けて、JAGSNが今後予定している二つの活動が紹介されました。
一つは、今後再建される住宅に「改良かまど」を導入することです。家を元通りに再建するだけではなく、女性にとって労働負荷の軽減となり、健康にもよい改 良かまどを導入した台所設計をお手伝いできないかということです。住宅の設計や施工に女性が参加できないか、インドの例なども参考にして取り組みたいと考えていらっしゃいます。
もう1つは、ネパール震災復興における「好事例」を取りまとめたハンドブックの製作です。この好事例集には、本会が重点をおいているジェンダーやカース ト、先住民、障害者など脆弱な人たちへの配慮だけではなく、紛争再発予防の視点を取り入れ、ネパールでの様々な実践例を取りまとめ、関係者の方々と共有したいとのことです。事例に関する情報提供を参加者の皆さんにお願いすると共に「情報提供シート」が配布されました。今後、JAGSNのウェブサイト でも特設ページを設けることにしていますので、引き続きご協力をお願いしたいとのことでした。

お忙しい中、本報告会にご参加いただいた皆さま、まことにありがとうございました。

報告会テーマ:災害を機に「より良い暮らし」を考える
−大地震後のネパールで女性たちが期待すること−


大地震の発生から間もなく半年を迎えるネパールでは、仮設住宅の建 設や、現金給付型就労事業が行われていますが、女性たちの意見が反映されてい るとは言えません。
9月上旬に被災地域を訪れ、女性団体や障害者団体と意見交換をした田中雅子さんに、彼女たち・彼らの意見を反映した住宅再建案や、災害後の 社会に期待されることについて報告していただきます。

報告者:田中雅子 (ネパール地震ジェンダー配慮支援の会代表)
日時:2015年10月14日(水)18:30〜20:30
会場:東京ウイメンズプラザ視聴覚室C
http://www1.tokyo-womens-plaza.metro.tokyo.jp/…/Default.aspx
参加費:500円
定員:36名(先着順)
主催:ネパール地震ジェンダー配慮支援の会
共催:株式会社サステイナブル

参加登録:参加ご希望の方は、info@sustainable-inc.jpに、「お名前」、「ご所属」、「メールアドレス」をご連絡ください。
メールの件名は「ネパール大地震報告会」でお願いいたします。

2015年9月23日
6月23日(火)森下文化センターにて、「ネパール大地震勉強会(災害とジェンダー・社会的弱者の視点から)」を開催しました。

ネパールで活動するNGO団体の職員、国際協力コンサルタント、研究者、大学生、そして本国に家族を残されて来日しているネパールの方々など様々なお立場の約30名のみなさんがこの勉強会に参加され、活発な議論が行われました。

報告者の田中雅子さん(上智大学総合グローバル学部教員)によれば、ネパールでは4月25日の大地震以上に、5月12日にあった余震のダメージが大きく、当初よりも特に農村部で被害状況が拡大しているとのことです。
地震の経験がほとんどないネパール人にとって地震や余震への恐怖は計り知れず、インフラや物資面の支援の他、被災者の話に耳を傾けるなど心のケアも重要な課題になっているそうです。

田中さんのご専門である「ジェンダー」や「被差別カースト(ダリット)」に対しては、震災前から、女性やダリッドの政治・経済参加を促進する「ジェンダーと社会的包摂」の施策をネパール政府が打ち出しており、様々な取り組みが行われていました。しかし、今回の災害によって、女性やダリットへの支援が後回しにされるなど、彼らがまた脆弱な立場に追いやられる危険性があるということです。

最後に、田中さんが支援を行っている2団体WOREC(女性たちの回復センター)やシャクティ・サムハ(人身売買防止活動団体)が地震後に行っている活動が紹介されました。
元々女性やダリットのために地に足のついた活動を展開していたため、震災後も女性への救援物資の配布やシェルターの確保など精力的に活動しているそうです。

本勉強会では、これらの活動に対し、29,500円の寄付が寄せられました。日本でも、「ネパール地震ジェンダー配慮支援の会」が設立されたそうです。

株式会社サステイナブルは、「ネパール地震ジェンダー配慮支援の会」を通じてこれら団体への支援を継続するとともに、今後もネパール大地震の復興活動や支援状況に関する勉強会を開催していきたいと考えています。

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20150623ネパール大地震勉強会

株式会社サステイナブルでは、6月23日に、ネパール大地震に関する勉強会を開催します。ご関心のある方は、ふるってご参加ください。

勉強会題名:ネパール大地震勉強会(被害状況と現地NGOの活動)
〜災害とジェンダー・社会的弱者の視点から〜

主な内容:4月25日にネパールで発生したマグニチュード7.8の大地震は、首都カトマンズはじめ周辺地域に甚大な被害をもたらしました。
長年ネパールで研究・支援活動を行い、地震発生直後も被災地での支援にあたられた上智大学の田中雅子さんから、現地の被災状況や支援活動の様子など最新情報をご報告いただきます。
災害においてもっとも脆弱な存在となりうる女性や社会的・経済的弱者に焦点をあて、今後必要とされる支援についてもお話しいただく予定です。

報告者:田中雅子さん(上智大学総合グローバル学部教員)

日時:6月23日(火)18:30〜20:30

会場:森下文化センター 第2研修室(東京都江東区森下3-12-17)
   (会場アクセスマップ)

参加費:無料(会場にて現地支援団体への寄付を受付けます)

託児に関するご相談:勉強会開催時間中に、2歳〜未就学児の託児を必要とされる方はご相談ください。(託児サービスのご相談は、22日で締切りました)

参加登録:参加ご希望の方は、info@sustainable-inc.jpに、「お名前」、「所属先」、「電子メールアドレス」をご連絡ください。メールの件名は「ネパール大地震勉強会」でお願いいたします。

定員:40名程度(先着順)

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